忙しいなかで、良い睡眠を確保したい
今回はそんな方にぴったりの本「一流の睡眠」について紹介します。
目次
本書の目次です。
序章 一流のハードワーカーはどう眠っているのか?
第1章 ビジネスパーソンのための睡眠の「新常識」
第2章 目覚めた瞬間に快眠戦略は始まっている
第3章 午後2時〜4時の「魔の時間帯」を制する
第4章 翌日のパフォーマンスを最大化する夜の習慣
第5章 世界一の快眠を手に入れる「睡眠自己分析」
第6章 眠りの質をさらに上げる最新ナレッジ
著者について
著者は裴 英洙さんです。
医師・医学博士、MBA。ハイズ株式会社代表取締役社長。
金沢大学大学院にて、外科病理学を専攻し、医学博士を取得。
医師として働きつつ慶応義塾大学大学院経営管理研究科を修了。
現在も医師として臨床業務をこなしつつ、臨床の最前線からのニーズを医療機関経営に活かすハンズオン型支援を行う。
医者と経営者・コンサルタントをされている方です。みるからに忙しそうですね。
自身もビジネスパーソンとして働き、ビジネスパーソンを熟知する医師がまとめた「快眠戦略」とはどういったものなのでしょうか。
【要約】一流の睡眠~常にトップパフォーマンスを出し続けるには~
現代のビジネスパーソンにとって最も大切といっても過言ではない「睡眠」。
睡眠の質を向上させることによって、健康面だけではなく、仕事の成果にも直結します。
快眠戦略の要点は以下の3点です。
- 「睡眠時間の確保」ではなく、「熟睡習慣の獲得」を目指す
- 1日の始まりを「起床時」ではなく「就寝時」切り替える
- イレギュラーな事態でもパフォーマンスを落とさない「対処法」を身につける
それぞれみていきましょう
・「睡眠時間の確保」ではなく、「熟睡習慣の獲得」を目指す
睡眠は量ではなく、「質」が大切だと著者は説きます。
まず実際にどれくらい眠れているのか把握するところから始めましょう。布団に入って横になっている時間に対して、実際にどれくらい眠れているのかを計算します。
例えば、実質の睡眠時間=6時間、横になっていた時間=8時間の場合
(実質の睡眠6時間)÷(横になっていた8時間)×100=75% です。
普通の人には、85%以上が好調を維持するには必要です。
8時間横になっていた場合は、8時間×0.85(85%)=6.8時間が必要です。寝る時間が正確にはわからないため、ざっくりとしか把握できませんが、良い睡眠がとれているのかの目安として捉えましょう。
85%以下の場合は日中をより活発に動いたり、自分にあった睡眠習慣を確保しましょう。
・1日の始まりを「起床時」ではなく「就寝時」切り替える
ほとんどの人が一日は朝起きた時からスタートだと考えています。(私もそう考えていました。)
翌日のパフォーマンスを最大化するためには、就寝時間を「1日のスタート」として考える必要があります。
通常は夜を「一日の終わり」として捉えるため、Youtubeを見たりNetflixをみたり、ダラダラと過ごしがちです。
意識だけの違いですが、睡眠を「1日のスタート」と考えることで、夜の過ごし方も少しは変わるはずです。
仕事終わりに夜ダラダラしたくなる気持ちもわかるのですが(私もよくダラダラします)、翌日に向けて、寝るためのルーティンを整え、30分でも早く寝れるようにしましょう。
・イレギュラーな事態でもパフォーマンスを落とさない「対処法」を身につける
日々の生活において、どうしてもイレギュラーな事態も発生します。
①徹夜をしないといけなくなった場合(次の日までにどうしても資料などを間に合わせないといけない仕事がある場合)、②二日酔いの場合(どうしても3次会まで参加しないといけない場合)、それぞれ書かれてあります。
・徹夜の場合
徹夜はデメリットの方が大きいため基本的にはおすすめしないと書かれていますが、どうしてもの場合は、徹夜中に15~20分の仮眠をとりましょう。
翌日には午前中の作業を終えたら、昼休みにも仮眠をとりましょう。熟睡ができない分、仮眠によって最低限の休養をチャージするというイメージですね。
・2日酔いの場合
飲み会で二日酔いになりそうな場合は、アルコールを飲む際に同量の水を一緒に摂取するように心がけましょう。
お酒と一緒に水を飲む理由は3点あります。
- 血液のアルコール濃度を下げるため、早く醒めやすい
- アルコールの利尿作用で失われた水分を適宜補給できる
- 口の中に残っているアルコール成分を洗い流すためさっぱりする
個人的な話ですが、これは私の飲み会に連れまわされた経験からも有効だと思います。「飲み会はビールのみで」といってくるめんどくさい人がいない飲み会では、アルコールと水やソフトドリンクを交互に飲むと、翌日の疲れが変わると思います。
そして、飲み会の次の日は、起床後にスポーツドリンクで水分補給をしましょう。
スポーツドリンクの方が水よりも体内に吸収されやすいからです。
また、糖分も積極的にとるようにしましょう。理由として、糖分は二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解に役立つからです。
かなり実践的ですね。
飲み会では、水を多めに摂取する。次の日の朝にはスポーツドリンクで水分補給し、糖分も積極的にとる。
これらに気を付けると二日酔いの影響は少なくなりますね。
【書評・感想】一流の睡眠~常にトップパフォーマンスを出し続けるには~
私が本書を読んで、タメになったと感じた点を2点紹介します。
- 自分だけのベストな睡眠時間をみつけよう
- 睡眠の質を向上させる具体的な行動を実践しよう
自分だけのベストな睡眠時間をみつけよう
著者はベストな睡眠はケースバイケースであることを本書で一貫して強調しています。
人それぞれ、生活スタイルや仕事のハードさ、持っている悩みは異なります。
また、眠る環境も、ベッドの方さや枕の高さ、寝室の騒音、湿度、温度、誰と眠るかなどによって睡眠の量と質は大きく左右されます。
つまり、睡眠は究極にカスタマイズされるべき生活習慣なのです。
自分なりの睡眠習慣を見つけるためには、記録を取って把握することが大切だと著者は説きます。
睡眠習慣は、食習慣以上に、一人ひとりの環境によって状況が異なるものです。
だからこそ、睡眠を可視化することに大きな意味と効果があるのです。
具体的には、入眠時間、起床時間、睡眠時間、睡眠効率、目覚めた感覚、その日の仕事・生活のパフォーマンスを記録しましょう。
手帳などに項目をつくって記入していくのが把握しやすいですね。
その中で仮説検証をして、どんな睡眠をとったときに自分の体調が良かったのかを探り、ベストな睡眠習慣を見つけていきましょう。
睡眠の質を向上させる具体的な行動を実践しよう
睡眠の質を向上させる具体的な行動を、理由とともにいくつか紹介していきます。
電車内・通勤経路は「日光の当たる位置」をキープする
→日光を浴びて体内時計をリセット
二度寝対策として、目覚まし時計を布団から手の届くところに置かず、少し遠くに置く
→布団から手だけのばして、目覚ましのスヌーズごと切るのを防ぐ
二度寝対策として、目覚まし時計を布団から手の届くところに置かず、少し遠くに置く
→布団から手だけのばして、目覚ましのスヌーズごと切るのを防ぐ
・朝食はしっかりと取る
→朝に血糖値を上げることが体にいい。また、大腸を刺激し「快便」につながる
・起床後に熱めのシャワーを浴びる
→体の奥の「深部体温」を上げるために、すっきりとした目覚めになる
・20分程度昼休みに仮眠しよう
→午後のパフォーマンスを上げるためには必要。ただし、30分以上の昼寝は逆効果に。
夕方以降はコーヒーを飲まないようにする
→夜に影響してしまうカフェインの摂取は控える
布団の中でスマホはさわらないようにする
→スマホから出る「ブルーライト」は睡眠によくないです。寝る2時間前からスマホをシャットアウトするのが理想。
1つでもいいので、取り入れやすいものから今後の生活に取り入れていきましょう。
まとめ
今回は「一流の睡眠」を紹介しました。
睡眠を向上させるための理論や必要なノウハウがつまっています。
ぜひ本書を手に取ってみてください。
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