時間を大切なことに使いたい
仕事が忙しくて、本当にやるべきことをできていない
今回はそんな方にピッタリの「限りある時間の使い方」を紹介します。
本書は、時間をコントロールするのではなく、本当にやりたいことに取り組むことを主張しています。
時間を効率的に使うライフハックとは距離を置く考えとはどのようなものなのでしょうか。
著者について
著者はオリバー・バークマンさんです。
イギリスの全国紙ガーディアンの記者として、外国人記者クラブの若手ジャーナリスト章などを受賞した気鋭のライターです。
目次について
本書の目次です。
PART Ⅰ 現実を直視する
第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか
第2章 効率化ツールが逆効果になる理由
第3章 「時間がある」という前提を疑う
第4章 可能性を狭めると、自由になれる
第5章 注意力を自分の手に取り戻す
第6章 本当の敵は自分の内側にいる
PART Ⅱ 幻想を手放す
第7章 時間と戦っても勝ち目はない
第8章 人生には「今」しか存在しない
第9章 失われた余暇を取り戻す
第10章 忙しさへの依存を手放す
第11章 留まることで見えてくるもの
第12章 時間をシェアすると豊かになれる
第13章 ちっぽけな自分を受け入れる
第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす
エピローグ 僕たちに希望は必要ない
付録 有限性を受け入れるための10のツール
限りある時間の使い方の要約
本書を読んだ際に私が大切だと感じた4つのポイントです。
①人生は時間が限られている(4000週くらい)
人の寿命はある程度決まっており、時間が限られています。
厚生労働省が発表した2021年の平均寿命は男性が81.5歳、女性が87.6歳です。 (引用データ:HP厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」より)
平均年齢まで生きた場合、男性では約4200週ちょっと、女性は約4500週しかありません。高齢になると体も衰弱していくので、元気に動ける時期はもっと少ないかもしれません。
まずはこの人生において、「時間が限られていることを受け止めましょう」というのが本書のスタート地点になります。
私も30歳を超えているので、人生の約40%を既に過ごしていることになります。そう考えると、4000週という期間は、本当にあっという間ですね。
②タイムマネジメントでは全てを対処できない
時間は有限であるという現実を受け止めた後では、どうすれば限られた時間を有効に使うことができるかを考えてしまいますね。
タイムマネジメントなどの時間術を駆使して持っている時間を最大限有効に使うといった考えだけではうまくいかないと著者は説きます。
なぜなら、どんなにスゴイ人でも、短い時間で全てをこなすことは無理だからです。
時間を有効に使ってやりたいことを全部するということをあきらめ、選択肢を絞る。ドライな考えですが、すべてすることをあきらめてないといけないという現実を受け止めないと、根本の問題は解決できません。
これまでの本に多かった、「頑張って少しでも多くのことをこなしていく」という努力論的な考えとは違い、取捨選択の大事さが強調されています。
このあたりは、優先順位や取捨選択の重要性を述べている「シンプルで合理的な人生設計」の主張と似ていますね。
③自分が特別な存在ではないことを受け入れる
もっと有意義な時間を使わないと・・・と焦って、土日も返上して仕事のスキルアップに使う。
仕事で大きなことを成し遂げたい、圧倒的な業績を残したいといって使命感に燃える。
こういったことに関して、”そんなに”重要ではないと著者は説きます。
宇宙レベルでみれば、個人の頑張りはないに等しいからです。
やるべきことが多すぎて圧倒されるとき、少しだけズームアウトしてみれば、すべてはちっぽけな問題に見えてくる。ほとんど無だ。日々の不安や悩み事ーーー人間関係、出世競争、お金の心配ーーーなど、宇宙から見ればまったくどうでもいいことなのだ。
また、世界史の教科書にのるようなことを成し遂げるのは世界でもごくわずかです。
そもそも大きな仕事をせずせっせとブログを書いている私は宇宙はおろか県レベルでみても個人のがんばりはないに等しいですからね笑
宇宙レベルや世界の偉人と比較するのは、極論のように聞こえますが、大事な人生において、大きなことを成し遂げたいと気を張りすぎる必要なんてないよねという主張なんだと思います。
非現実的なハードルから開放されたとき、限りある時間を有意義に使う方法は、今までよりもずっと多様な可能性に開かれる。今やっていることのなかに、、思ったよりもずっと意味のあることがたくさん見つかるかもしれない。今までくだらないと思っていたことが、本当はとても価値のあることだと気づくかもしれない。
大きな偉業を達成しようと意気込むのではなく、困っている人に向けて小さなことを行い、人に貢献する。
大きな意思をもって意気込むのではなく、もっと日常にあふれている小さな行動の積み重ねが少しずつ世界を良くするという考えですね。
④やりたいことを今から始める
仕事が1段落ついたら取り組みたいことがある
子どもが家を出ていったらやりたいことがある
仕事が1段落ついたり、家庭問題が落ち着いても、その頃にはまた別の問題が出てきたりします。
仕事が忙しいので、残業時間が月30時間を切ってきたら趣味の映画鑑賞を始めよう
という考えでは、始めることがなかなかできないと思います。
そうではなく、少しでもいいから進めてみる
残業が月40時間あって忙しいけど、帰りの通勤時間で少しずつ映画を見てみよう
などといった考えだと始めやすいですね。
私のケースだと、転職したいと考えていた際は、仕事も忙しく時間が全然取れませんでした。それでも1日15分でもいいので仕事を早く切り替えて、「乗換駅にあるドトールで15分だけ転職書類を作る!」といったちょっとずつのスタートで準備を進めていき最終的には別の会社に転職することができました。
本書でも「小さなことでもいいので、今できることを精一杯やる」ということが繰り返し書かれています。
「次にすべきこと」を実行するのが、いつだって、自分にできる唯一のことだからだ。たとえ正解がわからなくても、とにかく次にすべきことをやるしかない。
どれだけ多くの人を助けたか、どれだけの偉業を成し遂げたか、そんなことは問題ではない。時間をうまく使ったといえる唯一の基準は、自分に与えられた時間をしっかりと生き、限られた時間と能力のなかで、やれることをやったかどうかだ。
小さく初めて、それを継続するということは大切にしたいですね。
感想
優先順位をつけて重要でないことをバッサリと切るという考えは、大切な考えだと思いました。仕事や学校に行きつつやりたいことをするのは本当に時間が足りないですからね。
その一方でライフハック術をしても根本的な解決にはならないということについては、われわれ一般人にはそのまま読み取らないほうがいいのではないかと思いました。
というのは、筆者もライフハック術を使い倒して切り開いた境地であり、私のような一般サラリーマンが社会でなんとか生きていくには、最低限の効率的に業務をこなす能力も必要に思うからです。
なにも工夫をしないのに時間がないというのはある意味当たり前で、それを改善せずに文句ばかり言ってもしょうがないと感じます。私も最低限のライフハック術はマスターしたうえで、それだけでは根本的な解決にならないよと言えるレベルに到達したいです。
まとめ
今回は限りある時間の使い方について紹介しました。いかがだったでしょうか。
時間が限られていることを意識して、ライフハックのテクニックでなんとか時間を作ろうとするのではなく、取捨選択して大切なことに時間を使う
こういった考えは、SNSやNetflixなど暇な時間を消費するものがたくさんある今の時代において大切な考えですね。
この本を読めば、日々の生活をより意味のあるものに変える手助けをしてくれます。ぜひ本書を手に取って読んでみてください。
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