自分らしいキャリアを見つけたい
会社で出世することだけが大事ではない気がする
今回はそんな悩みを持つ人向けに書かれた「スローキャリア(高橋俊介)」について紹介します。
著者いわく、この本は上昇志向が強くはないが、仕事やキャリアに関してできるだけ前向きに考えたいという人のために書かれた本とのことです。
周りの社会人を見渡しても、上昇志向がある人と、上昇志向があまりない人がいますね。(私は上昇志向が強くない側です・・・)
今回は上昇志向があまりない側の人がどのようにキャリアを築いていけばいいのか、そのヒントが本書で示されています。
- 上昇志向が強くない人のためのキャリア戦略がわかる
- 自分なりのキャリアを考えるきっかけになる
著者について
著者は高橋俊介さんです。
1954年、東京都生まれ。日本国有鉄道(現・JR)、マッキンゼー・ジャパンを経て、ワトソンワイアットに入社。
2000年5月からは、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授も務める。
経歴を見るかぎり、めちゃくちゃエリートですね。エリートな著者が提唱する、上昇志向が強くない人に向けたスローキャリアとはどのようなものでしょうか。
スローキャリアとは
会社のために必死にがんばる昭和の考えではなく、自分なりの思い・やりがいなどを重視する考えでキャリアをつくっていこうというのが著者の主張です。
今だからこそよく言われる主張ですが、今のような働き方が進展していない2006年にこの本が発売されています。当時としては画期的だったのではないかと思います。
上昇志向でない動機を中心に活用して、あらかじめ達成すべき目標があるのではなく、自分のポリシーや価値観に従って、対人関係を含めた仕事のプロセスにのめり込みながら、自分で自分の人生をマネジメントしながら日々生きていき、振り返ったとき、結果として後ろにキャリアができているというのがスローキャリアなのである。
スローキャリアの考えは、出世を目指して毎日バリバリと働く考えとは異なりますね。
スローキャリアは、どちらかというと会社が中心ではなく、自分を中心にキャリアを考えていきます。自分の人生に納得できる方向に歩みやすい考えで、上昇志向が強い人には当てはまらないかもしれませんね。
- 本当にやりたいことをできるのか、自分らしさにこだわって仕事ができているのかを考える
自分がスローキャリアか向きかどうかの判断
ちなみに自分がスローキャリア志向かどうかは、下記の質問にどう対応するかで判断できるそうです。
①「なにくそ、見返してやる!」と思う
②「いままで会社のために尽くしてきたのに・・・」と思う
①は上昇志向が強いタイプの人です。降格させられても上を目指すタイプの人ですね。
②は上昇志向がそこまで強くないタイプの人です。降格になった時に、人格を否定された・裏切られたと思うことが先に思い浮かぶタイプですね。
私は②でした。上昇志向が強くないタイプですね。②のタイプは、上昇志向だけに捉われずに、自分なりの価値観を持って仕事を打ち込むスローキャリアも取り入れていきましょう。
スローキャリアで大切にしたい基本姿勢
スローキャリアを目指すにあたって7つのポリシーが本書であげられています。
①根源的自分らしさへのこだわり
②変化への柔軟な対応と経験からの学習
③目標ではなく個性あるキャリア
④人生のフェーズによる使い分け
⑤損益分岐点の低い生活スタイル
⑥組織と対等で潔い関係
⑦スローキャリア社会への実現
それぞれみていきましょう。
1根源的自分らしさへのこだわり
スローキャリアをめざすならば、自分なりの価値観をもって取捨選択していかないといけません。
自分が何を大切にしたいのか、常に意識することが大切だと思います。
2変化への柔軟な対応と経験からの学習
スローキャリアを実現するためには、特定の仕事や専門性を自分のなかで限定せずに、つねに新しい仕事にチャレンジし続けることも大切です。
変化を恐れずに新しいことにチャレンジしていくことや、新しい価値観を受け入れることを大切にしたいですね。仕事だけではなく私生活も、新しいことを取り入れていくことが昔の考えに凝り固まらないために大切だと思います。
3目標ではなく個性あるキャリア
出世や収入ではなく、仕事の質や自分らしさに重点を置くキャリアをめざしていくことも大切です。
なかなか収入を犠牲にするような躊躇してしまいますが、いざという時の準備は少しずつ行いたいですね。
4人生のフェーズによる使い分け
人生のフェーズによって仕事と生活のバランスが変わります。若手の仕事を覚える段階では、仕事の割合が高く、子育て・家族の介護が必要なときはプライベートの割合が高くなります。
トータルとして満足のいく人生を送るために、バランスを心がけた生活を意識したいですね。
5損益分岐点の低い生活スタイル
報酬に関係なくやりたい仕事をやるための心がまえです。(③のポリシーと一部重なりますね)
収入が高い仕事につき、そのまま支出も高い生活を続けている人は注意が必要です。
生活を維持するための報酬面で仕事を規定すると、仕事を選択する際の選択肢が狭まってしまいます。やりたい仕事が年収が下がる場合は、いくら魅力的でも選ぶことができません。
生活費の損益分岐点が高いと、給料が理由でやりたい仕事ができないこともあるので、生活費(特に固定費)を高めすぎないような生活を心がけましょう。
6組織と対等で潔い関係
会社に依存しすぎず、かといって踏み台にするようなこともせう、給料以上の貢献をし続けましょう
7スローキャリア社会への実現
スローキャリアの推進者として、スローキャリアを実践している企業や店を利用して行動していきましょう。
チェーン店などではなく、こだわりのある店などを大切にするなど日々の行動もこだわりをもちましょう。
本書を読み終えて(感想)
自分らしいキャリアをつくっていくには、試行錯誤しながら動機・価値観を明らかにしつつ、大まかなキャリアの方向性を決めていくのが、スローキャリアです。
変化を怖がらず新しい仕事にチャレンジしていき、没頭できる仕事をがんばる。それを積み重ねて、常に少しでもいいので行動していく。そういったことが満足できるキャリアにつながるように本書を読んで思いました。
まとめ
今回は「スローキャリア」を紹介しました。キャリアを考える一つのきっかけになると思います。
ぜひ手に取ってみてください。
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